投稿日:2023年2月2日
施設では、利用者様への医療的ケアや介護を行うなかで、手順を間違えたり、適切な対応が行えなかったことにより、重大な事故につながる可能性があった事例などをスタッフが報告する「インシデントレポート」という仕組みがあります。
また、今年の1月には「医療事故等公表基準」を定め、利用者様の身体に重大な影響を与えるおそれがあったという事例も含め、その内容と再発防止策を公表しています。
今年度は、利用者様に投与するお薬をとり違える事例が複数回発生したことを受け、各部署で、その原因を「なぜそうなったのか」と掘り下げていき、再発防止策を考える「RCA分析」を行いました。
今回は、3階東フロアのスタッフと、リハビリ職員、薬剤師、相談員、事務職員が合同で分析を行った時のことをレポートします。
①まずは参加者全体で、今回検討する「胃ろう部より経管栄養と与薬を行った際、他の利用者様に使用すべきもの を誤って注入してしまった」という事例について、細かい状況や背景等を共有しました。
②次に、多職種混合のグループを作って、グループワークをしました。
1つ1つの手順やアクシデントについて、“なぜそうしたのか”、色々な立場・視点からどんどん意見を出し合い、付箋に書き出して連ねていきます。
“なぜ”を掘り下げていくことで、根本の問題や改善点をみんなで探していきます。
③最後にグループごとに話し合った内容を発表しあいました。
この事例の再発防止策として、薬剤と本人との取り違えを防止するため、薬剤持出用のボトルへの氏名表示を大きく見やすい仕様に改め、間違えやすい氏名の方についても表記に工夫を加えました。
あわせて、服薬時の確認手順について朝礼、病棟会議を通じ徹底を継続的に行うこととなりました。
これからも、利用者さんのより安全で快適な生活を支えていくため、様々なスタッフで事例や課題を共有し、原因や解決案を検討していきたいと思います。